今週の本棚:若島正・評 『烏有此譚』=円城塔・著 - 毎日jp(毎日新聞)
(講談社・1575円)◇本文と注釈が進める灰と穴の物語『烏有此譚』という。このタイトルはどう読むのだろう。どういう意味なのだろう。本書を手にした読者が思い浮かべるのは、まずその疑問に違いない。この小説は上下二段に分かれていて、下の部分は本文に対する注釈になっている。その注釈の中で、「注者」と称する第二の語り手が、題名の読み方についてこう言う。「全く不明であるが、注者としては『うゆうしたん』以外の読...
- PR